食のデザイン

DNP文化振興財団所蔵ポスター展

Nagai Kazumasa, Japanese Sake, 2016
Satô Kashiwa, Kirin Gokunama/ Namakuro, 2004

オープニング | 2023年1月13日(金)9時
オープニング講演 レネ・グローナート氏(フォルクワング美術館内ドイツポスター美術館館長)

生きるものすべてにとって、食べることは種の保存のための基本であり、中心的な活動です。日本各地には、それぞれの地域の歴史と密接に結びついた豊かな食文化が育まれてきました。しかし、将来を見据えると、農業や漁業での人手不足につながる高齢化と人口減少、地球温暖化に伴う環境問題など、不安材料に不足しません。

ポスターをはじめ、グラフィックデザインには、時代を反映した食の表現が数多くみられます。例えば、戦後すぐのチョコレートがない時代のチョコレートをモチーフにしたポスターからは、甘いものへの楽しい憧れが伝わってきます。野菜や果物を魅力的に表現したポスターには、地球への感謝や畏敬の念が込められているようです。そして、社会問題を扱ったポスターは、身近なモチーフであるからこそ、特に心に響きます。グラフィックデザインは、人間の日常生活や社会と密接に関係しているので、人々の食に対するイメージだけでなく、生活全体に対するイメージを反映しているように思われます。                         

本展では、グラフィックデザイナーが食の意味を独創的な手法で表現したポスターの数々を「食材のハーモニー」「飲物の図像」「愉しみの食」「食の風景」「モチーフとしての食」の5つのセクションに分けて展示し、現代の人と食の複雑な相互関係を探っています。

本展の作品はすべて、大日本印刷株式会社(DNP)の創業130周年を機に2008年に設立されたDNP文化振興財団(東京)の所蔵品です。DNPは世界最大級の印刷会社であり、グラフィックデザインやグラフィックアートの芸術的・文化的側面を、人類を統合する貴重な財産として重視しています。また、その普及と発展のために、展示、教育、アーカイブ、国際交流の分野に取り組んでいます。東京のギンザ・グラフィック・ギャラリー、福島県須賀川市のCCGA現代グラフィックアートセンター、京都市の京都dddギャラリーが中心的な拠点となっています。

本展では、1957年から2016年にかけて制作され、20名以上のグラフィックデザイナーによって展開されたオリジナルポスターと複製品の計50点を紹介します。