映画特集 舞台裏の重要な女性たちー脚本家 田中澄江(1908-2000)と水木洋子(1910-2003)

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スタジオ映画の黄金時代である1950年代、日本の映画界は男性で占められていました。女性は主に女優として登場し、カメラの後ろでも活躍して成功した個性の持ち主は数少ない例外でありました。この特集では、その中から2人の女性、数々の賞を受賞した脚本家の田中澄江(1908-2000)と水木洋子(1910-2003)に焦点を当て、二人が親交のあった成瀬巳喜男監督(1905-1969)の作品を8本取り上げます。

田中澄江は東京生まれで、成瀬巳喜男だけでなく、優れた女優でもあった田中絹代監督の脚本を手がけたことでも知られています。夫の田中親雄とともに、1937年に設立された文学座で戯曲を書いていましたが、戦後になって吉村公三郎、佐分利信、木下惠介、中村登などの監督のために脚本を書くようになりました。1960年代以降は、テレビドラマの脚本のほか、小説やエッセイなども執筆しています。

同じく東京出身の水木洋子は、社会批判的で芸術的な作家性を持った成瀬巳喜男や今井正の作品で注目され、その形成に大きな役割を果たしました。当初は女優として活動しましたが、24歳の時に父が亡くなったことをきっかけに脚本を書き始めました。最初は舞台劇に集中していましたが、戦時中はラジオ用の芝居も手がけました。1949年に『女の一生』(亀井文夫監督)で映画デビューを果たした後、林芙美子、幸田文、川端康成、ラフカディオ・ハーンなどの作品を映像化し、文学作品の新しい時代を切り開きました。

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この映画特集は、ベルリンのアーセナル劇場(映画とビデオ作品の研究所)との共催で、9月にアーセナル劇場にて同特集が上映されました。

www.arsenal-berlin.de/de/kino-arsenal/programm/einzelansicht/article/8665/3006.html

ご来館にあたっての注意

映画上映会に参加するには、オンラインツールguestooによる事前登録が必要です。申し込みは、各映画上映の1~2週間前にホームページに掲載されます。また3Gルール適用のため、各種証明書をご持参ください。

【上映予定】

めし (A Married Life): 11月4日(木)、11月26日(金)18時上映

お母さん (Mother): 11月5日(金)、25日(木)18時上映

稲妻 (Lightning): 11月8日(月)、12月2日(木)18時上映

山の音 (Sound of the Mountain): 11月11日(木)、11月29日(月)18時上映

晩菊 (The Fading Grace): 11月15日(月)、12月9日(木)18時上演

浮雲 (Floating Clouds): 11月18日(木)、12月6日(月)18時上映

驟雨 (Sudden Rain): 11月19日(金)、12月13日(月)18時上映

流れる (The House of Geisha): 11月22日(月)、12月16日(木)18時上映